技術者のみなさまへ
日本機械学会では2002年から、設計研究会で、日本発のものづくりの仕組み構築を目指して製造業、大学、ベンダが一体となった活動を行ってきました。この活動を通して2007年頃から1DCAEのコンセプトが出てきました。最初に公になった論文としては東芝レビューの2012年7月号の記事があります。
1DCAEとは上流段階から適用可能な設計支援の考え方、手法、ツールで、1Dは特に一次元であることを意味しているわけではありません。物事の本質を的確に捉え、見通しの良い形式でシンプルに表現することを意味します。1DCAEにより、設計の上流から下流までCAEで評価可能となります。1DCAEでは、製品設計を行うに当たって(形を作る前に)機能ベースで対象とする製品全体(もの・ひと・場)を漏れなく表現し、評価解析可能とすることにより、製品開発上流段階での全体適正設計を可能とする。全体適正設計を受けて(この結果を入力として)個別設計(形を作る)を実施、個別最適設計の結果を全体適正設計に戻しシステム検証を行います。
最近では 1DCAEを具現化するツールも多く出てきています。Modelicaを中心としたモデリングツール、モデリングの前段階としての各種分析ツール、また、1Dと3Dとの連携ツール、さらにはものづくりを戦略的に考えるための手法等々広範囲に渡っています。
これらの動きをさらに活発化させるべく、このたび1DCAE.comの発足に至りました。上記の状況に鑑みて広義の1DCAEの視点に立った各種情報を”ものづくりをもっと良いものにしたい”と考えている技術者、研究者、経営者の皆様に提供します。